天空の城「竹田城」



秋になれば、こんな光景が見られると、以前から楽しみにしていた。

明日は冷え込んで、天気もよさそうだと聞いて、これはチャンスと見て、早朝に出発。
駐車場に着いたのは、あたりはまだ暗い五時半。
朝日まで時間はあるが、山道を登り始める。
暗いせいか、道は整備されているが登りにくい。
15分ほどで、山頂に到着。あたりが薄明るくなっている。
日の出はまだだが、もう雲海は見えているじゃありませんか。
あわてて、カメラを取り出し、パシャ、パシャ。
おっと、三脚もせっかく持ってきたんだから、セットして、パシャパシャ。

霧がさ〜っとやってきて、ほとんど城が見えなくなる時もある。
しかし、その霧はまた風に流されて、す〜っと消えていく。



天守閣のあったあたりからが、眺めがいいのだろうと思っていたが
「プロ」はその下の段から、南千丈の方を撮るらしい。
具合よく、雲海が手前に出てくれれば、まさに「天空に浮かぶ城」になるわけだ。


円山川から立ち上る朝霧がこの雲海をつくり、
風に乗って、朝霧は流れ、城の石垣が見え隠れする。
まさに、「朝霧と城のショー」のようだ。
午前6時頃から7時頃まで、ショーは見る者を飽きさせないほどに、感動的に続く。
朝日が昇ると、まもなく、ショーも終焉に近づいてきた。
カメラマンたちは、早々に、次なる獲物を求めて去って行った。


「雲海」がなくても、竹田城は山城としての魅力を存分に見せてくれる。
石垣も独特の組み方で、荒っぽさが、その頑丈さのもとでもあると言う。




≪旅のメモ≫
 国史跡に指定されている「竹田城跡」。別名「虎臥城(とらふすじょう)」。兵庫県朝来市和田山町。
 標高353メートルの山頂に、東西100メートル、南北400メートルの広さに石垣の遺構が残っている。城跡の真ん中に天守台がそびえ、高さ3メートルの石垣を粗末な木の梯子で登れるようになっている。眺めはすばらしく、四方を囲む山並みが360度のマノラマで広がる。小さな街並みの中を円山川が南北に流れている。この円山川から立ち上る川霧が城跡を包み「天空の城」となる。
 1431年、山名宗全の命により築城。完成は10年後と言われている。その後も改修が加えら、総石垣造りの豪壮な山城となった。「応仁の乱」や「関ヶ原の合戦」などの戦の世を経て、1600年最後の城主の切腹により、竹田城は廃城となった。
 石垣群は、大小の自然の意思を積み上げた「穴太(あのう)積み」で「安土城」と同じ造り。山城遺構としてほぼ完全な形で残る威容は、映画「天と地と」のロケ地としても話題になった。



2007・10


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